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日本人の朝食が危ない

腸のリズムを乱す朝の欠食

朝食の習慣は毎日の活動や健康にとても大切なことはよく指摘されていますが、朝の欠食の実態はなかかなか改善されません。厚生労働省「国民健康・栄養調査」によると、朝の欠食率は男性14.3%、女性10.5%。男女ともに20歳代、30歳代で欠食率が高く、最も高い20歳代では男性で37.0%、女性で23.5%となっています。経年で見ても、やや改善された年度はあったものの、再び増加しつつある傾向が見てとれます。

朝の欠食の年次推移

男性

女性

出典:厚生労働省「国民健康・栄養調査」

体内時計をリセットする
「光」と「朝食」

近年、「何を食べるか」だけでなく「いつ食べるか」が、健康、そして仕事や勉強などのパフォーマンスを左右するという「時間栄養学」が注目されています。体温や代謝、自律神経など、体の機能は一定のリズムを持っており、ヒトの概日リズムは約25時間です。1日が24時間の地球では、そのままでは少しずつずれていきますが、地球上で効率よく活動できるよう、体には体内時計をリセットして1日24時間に合わせるスイッチが存在します。そのスイッチをオンにするのが「光」そして「食事」の摂取なのです。

体内時計をリセット

朝、太陽の光が目に入るとそれが刺激となり、脳から全身の組織に指令が発信されます。また、食事がスイッチになって、胃腸の働きやホルモンの分泌、自律神経への調整など体内環境が一斉にリセットされるのです。朝食は英語でブレックファスト(breakfast)といいます。これは、前日の夕食からのおよそ10~12時間の断食(fast)を破る(break)という意味。長時間の空腹を経た後に食べる朝食の刺激が、からだを目覚めさせる力となるのです。

ダイエットにも逆効果。朝の欠食で肥満リスクは5倍に

朝食を抜けば、1日のエネルギー摂取量を減らせるからやせるだろうと思うのは間違いです。肥満やメタボにも体内時計のリズムは深い関係があるといわれています。朝からしっかり食事をとると、脳と体が活性化し、1日を通して元気にすごせるため仕事の能率もよくなります。朝食を抜くと、午前中はエネルギー不足の状態が続くため低血糖気味になり、また朝食抜きは昼食や夕食での「ドカ食い」につながりやすく、食後の高血糖状態を招きます。この急激な血糖値の変動は、肥満や糖尿病になりやすくなるとされています。朝食欠食による体内時計の乱れが代謝異常を招き、肥満の原因になるのです。米国で食生活パターンと肥満リスクの相関を調べた調査では、朝食抜きの人は、朝食を食べる人に比べて5倍も肥満しやすいことがわかっています。

朝の欠食による肥満の頻度予測値

朝の欠食による肥満の頻度予測値

出典:Ma Y et al. Am J Epidemiol 158:85-92(2003)

Opinion Voice 朝食は科学的に見て必要不可欠なもの

今、朝食を取らない若い方が増えています。理由としては、主に「ダイエット」や「時間がない/眠い」という声をよく聞きます。しかし、「ダイエット」ということでいうと、私たちの体は朝は脂肪をエネルギーに変えるホルモンの分泌が高く、夜は脂肪を合成するホルモンの分泌が高くなるので、同じカロリーを摂るなら朝食を食べた方が太りにくくなります。「時間がない/眠い」という理由の人も多いようですが、朝眠いのは睡眠リズムが崩れているためです。睡眠リズムを補正するには朝に体温を上げる(そして夜に体温を下げる)ことが一番効果的で、その役割を担っているのが実は朝食なのです。朝食が健康的な生活のリズムに欠かせないと言われるのは情緒的な理由だけでなく、実はこのような科学的な体内メカニズムがあるからです。ダイエットを気にしたり、朝眠いと感じている人ほど、実は朝食が大事といえるでしょう。

医学博士・管理栄養士 本多京子先生
医学博士・管理栄養士
本多京子先生

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