腸温活のための朝食にはどのようなスープが適しているのか、体の温め、保温効果について検証を行いました。
食物繊維入り具だくさんスープと、具なしのスープ、コンソメスープ、およびスープなしの具材のみ、を飲食してもらい、サーモグラフィで体の温度を測定。2名の被験者にさまざまな試験食を飲食してもらった結果、「具だくさん」のスープを食べることが最も体を温める効果があることがわかりました。
食物繊維入り
具だくさんスープ
vs
具なしスープ
vs
コンソメスープ
被験者Aに温かい食物繊維入り具だくさんスープを食べてもらったところ、上半身から末梢(指先)まで温まり、その効果は120分後まで持続していました(写真03、06)。食物繊維入り具だくさんスープと温かい具なしスープ、温かいコンソメスープ(具なしスープの一般的な代表例)と比較すると、具なしスープ、コンソメスープでは、食物繊維入り具だくさんスープほどの温め効果は得られず、コンソメスープでは末梢(指先)がほとんど温まりませんでした。これらのことから、食物繊維入りの具材がスープの温め効果を高めているものと考えられます。メカニズムとしては、具材を噛むことや消化吸収がゆっくり進むこと、具材による保温効果などが関係していると推測されます。
女性1名 27歳 BMI16.4
(1)食物繊維入り具だくさんスープ(温)200g
(2)具無しスープ(温)200ml
※ (1)のスープの具を除いたもの(分量調整)
(3)コンソメスープ(温)200ml
試料摂取前、摂取後0分、30分、60分、90分、120分後の全身、上半身、両手をサーモグラフィで撮影
試験は2日間で実施
試料は7分間かけて摂食
2016年6月4日、5日
松生恒夫先生
(松生クリニック院長・医学博士)
※本実験は松生恒夫先生の着想をもとにした実験です。
食物繊維入り
具だくさんスープ
vs
具なしスープ
vs
具材のみ(温)
vs
具材のみ(常温)
被験者Bに温かい食物繊維入り具だくさんスープを食べてもらったところ、被験者Aと同様に上半身から末梢(指先)まで温まり、その効果は120分後まで持続していました(写真21、24)。スープを除いた温かい具材のみと具なしスープで比較すると、具材のみの方が上半身から末梢(指先)まで温める効果が高くなりました(写真32~33、35~36)。さらに、温かい具なしスープと比較すると、常温の具材のみの方が温め効果は高く、温かい具なしスープと同等レベルまで温められていました(写真38~39)。 これらのことから、食物繊維入り具だくさんスープの温め効果は、具材によるところが大きいと考えられます。
女性1名 33歳 BMI18.6
(1)食物繊維入り具だくさんスープ(温)200g
(2)具無しスープ(温)200ml ※ (1)のスープの具を除いたもの(分量調整)
(3)具材のみ(温)228g ※ (1)のスープの具材(分量調整)
(4)具材のみ(常温)228g ※ (1)のスープの具材(分量調整)
試料摂取前、摂取後0分、30分、60分、90分、120分後の全身、上半身、両手をサーモグラフィで撮影
試験は2日間で実施
試料は7分間かけて摂食
2016年6月4日、5日
松生恒夫先生
(松生クリニック院長・医学博士)
※本実験は松生恒夫先生の着想をもとにした実験です。
今回の試験結果から、食物繊維入り具だくさんスープには、体や末梢を温める効果が期待できることが分かりました。また、複数の豆、雑穀、野菜が含まれており、水溶性と不溶性の食物繊維両方を摂ることができるので、中長期的に見ると腸内環境を整えることにもつながるでしょう。寒くなるこれからの季節、お腹・腸を冷やして体調を崩される方が多くなります。特に朝はどうしても体温が低くなるので、食物繊維入り具だくさんスープを朝食に取り入れて、体を温めるとともに腸内環境ケアに取り組んでみてはいかがでしょうか。
松生クリニック院長・医学博士
松生恒夫先生